こんにちは、台湾在住のあやです☺
台湾の7月は『鬼月』や『ゴーストマンス』と呼ばれているのをご存じでしょうか。
ゴーストマンスとは、死者の霊がこの世をさまよう月と考えられています。
さまよった霊が悪さをしないように、たくさんの食べ物を供えるなど、あらゆるおもてなしをしているのです。
そんな月があるんだぁ。
ゴーストマンスなんて初めて聞いたかも。。
そうですよね?
わたしもゴーストマンスと聞いたときは、なんだそりゃっと思いました(笑)
時期的には日本のお盆に当てはまります。
ご先祖様や孤独な霊にお祈りをするのです。
鬼月(ゴーストマンス)には、実は決まった祀り方や守るべきタブーが存在します。
この記事では、『ゴーストマンスとは一体どんなものなのか』『ゴーストマンスのタブー』などをくわしく紹介していきます!
これから台湾へ在住する方や台湾文化に興味のある方は必見です!
鬼月(ゴーストマンス)とはどんなもの?
『鬼月(ゴーストマンス)』とは、地獄とこの世の門が開き、亡くなった方の霊魂があの世から出てくる月といわれています。
鬼という言葉が使われていますが、実際には霊魂という意味を持ち、台湾では「好兄弟」と呼ばれています。
鬼月は、台湾やシンガポール、アジアの国々で開かれる礼拝行事の1つです。
そして、この1ヶ月の間に重要な日にちが3つあり、それぞれ以下のように呼ばれています。
- 旧暦7月1日は、鬼門が開く日で『開鬼門』
- 旧暦7月15日は、鬼門が大きく開く日で『中元普渡』
- 旧暦7月最終日は、鬼門が閉じる日で『關鬼門」
中元普渡では、ご先祖様や幽霊を祀るためにたくさんの食べ物を用意します。
デパートやスーパーマーケットではお祈りのためにスナック菓子やカップヌードルなどのバーゲンセールが多いです。
他にもハロウィーンと同様に台湾版幽霊(キョンシー)のイベントが行われている場所も多くあります。
台湾人の鬼月(ゴーストマンス)の祀り方『拝拝』
台湾のゴーストマンスで一番大切なのが、中元普渡に行う『拝拝』です。
拝拝とは、ご先祖様や幽霊に魚や肉などの豪華なお供え物をすることをいいます。
幽霊が供え物で飢えを満たし、提供してくれた人々に平和を与えるという考えから来ています。
供え物はお祈り後に用意した家族や従業員が食べるので、無駄にはなりません。
そのため、テーブルには食べ物が山のようにのせられています。
お祈りする時間は決まっています。
先祖:午前
好兄弟:午後
- 店やビルの前にテーブル置き、お供え物をする
スナック菓子やカップラーメン、フルーツ、魚や豚肉、鶏肉などありとあらゆる食べ物を用意します。 - 線香をあげて先祖の神様にお祈りをする
- 金紙を燃やす
金紙は紙で作られており、あの世のお金といわれています。
燃やすことであの世でお金に困らないという意味があるそうです。 - 午後になったら、再度線香をあげて幽霊にお祈りをする
- 使用した線香を全てのお供え物にぶすっと差す
線香を差すことで、ご飯を食べてくださいという印になります。
約1時間くらいかけて、幽霊がお食事をします。 - 金紙を燃やす
- 終了
街中では金紙を燃やすときの煙がすごかったり、食べ物がずらーっと机に並んでお祈りをしている姿を見かけます。
日本では見かけない景色のため、初めてみたときはかなり衝撃をうけました。
今でもなかなか受け入れがたい光景ではあります。
旅行者はびっくりする方も多いのではないでしょうか?
鬼月(ゴーストマンス)でやってはいけない10のこと
鬼月(ゴーストマンス)では、守るべきタブーが10個以上存在しています!
もし、タブーを破るとどうなるのでしょうか?
好兄弟(幽霊)がいたずらをしにやってくると言われています。
これらのタブーは、幽霊から身を守る方法ともいえるわけですね!
- 道に落ちているお金を拾わない
- 最終電車や最終バスに乗らない
- 肩を叩かれて名前を呼ばれても振り返らない
- 夜に写真を撮らない
- エレベーターの鏡を覗かないようにする
- 風鈴をかざらない
- 壁のそばを歩かない
- 海や川を避ける
- 夜は洗濯物を外に干しておかない
- 引越しや住宅購入の時期を避ける
道に落ちているお金を拾わない
道に落ちているお金は、地獄門の警備兵への供え物です。
そのお金を拾ってしまえば、警備兵は働かず、幽霊は人間を捕まえに行くかもしれません。
道に落ちているお金は拾わないようにしましょう。
肩を叩かれても振り返らない
肩を叩かかれて振り返ると、幽霊がつきやすくなるといわれています。
もしかすると、肩を叩いているのは幽霊かもしれません。
また、人の名前をフルネームで呼ぶと、呼ばれた人が幽霊に憑りつかれやすくなるといいます。
風鈴をかざらない
風鈴の音は、魂の音にも似ているそうです。
鬼月に風鈴をかざると、幽霊をおびき寄せると言われています。
壁のそばを歩かない
幽霊は寒いところが好きなので、壁際にいるといわれています。
壁に寄りかかったり、すぐ近くを歩くと連れ去られてしまう恐れがあるでしょう。
夜に写真を撮らない
夜に撮った写真には幽霊が写りこむといわれています。
夜出歩くことや残業なども避けたほうがいいかもしれません。
エレベーターの鏡を覗かないようにする
エレベーターは日光が届かない場所で陰のエネルギーが集まりやすい場所です。
そして鏡は幽霊が居座りやすいので、長く見ていると、鏡の中へ連れて行かれてしまうかもしれません。
海や川を避ける
台湾では、水害でなくなった者はもう人間として蘇らないといわれています。
水幽霊が人間をさらって身代わりにしようとするため、ゴーストマンスの時期は海遊びや川遊びは避けたほうがよいでしょう。
夜は洗濯物を外に干しておかない
幽霊は冷たいものや濡れているものが好きだといいます。
夜に洗濯物が干してあると、一緒に室内に入り込む恐れがあります。
最終電車や最終バスに乗らない
夜中を過ぎた時間帯は、陰のエネルギーでいっぱいになります。
そのため、最終電車や最終バスを使用すると幽霊ドライバーにどこかへ連れていかれる恐れがあるので、気をつけましょう。
引越しや住宅購入の時期を避ける
引越しや住宅、車の購入などの大きな転機を鬼月に行うことは不吉だといわれています。
病院なども避けるべきとききますね。
鬼月はしきたりを守って神様や幽霊に祈りをささげよう
いかがでしたでしょうか?
台湾文化は本当に奥が深いです。
鬼月は日本と違って先祖の神様だけでなく、幽霊にもお祈りをささげています。
台湾らしいともいえますね。
異文化は、慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、せっかくなので楽しみましょう!